もちろん、全てに対応する義務はありません!
新築なら話は別ですが、カリフォルニアロサンゼルスのほとんどの家は建ってから長い年月が経っているので、どの家も多かれ少なかれ問題はあります。ホームインスペクターが調査をすれば現在の基準に合わない箇所がいくつも出てくるのが普通です。
ロサンゼルスの不動産は、実は「欠陥があるまま」売って当たり前の商品
電化製品や家具を買うのとは違って、ロサンゼルスの不動産は、実は「欠陥があるまま」売って当たり前の商品なんです。なぜかというと、需要が供給を上回っている「売り手市場」がずっと続いているので、「あれを直してほしい、これを直してほしい」と贅沢な要求をしてしまうと、他のバイヤーとの競争に負けて、セラーに選んでもらえないからです。家が買えなかったから本末転倒になってしまうということです。
エスクローに入ってから、バイヤーが雇ったインスペクターがホームインスペクションを行い、家の問題点を一通り洗い出してもらいます。その後、バイヤーからセラーに「repair request」を出します。その中で、特に大きな問題、例えば、建物の構造の問題、下水道の問題、シロアリ問題などが見つかった時は、セラーが修理の交渉に応じてくれることもありますが、それでも、出したリクエストの全てに対応してもらえる保証もありませんし、セラーはその義務もないんです。

バイヤーとして注意しておきたいこと
オファーを出す際には、担当のエージェントと相談し、家の状態を考慮に入れた上で金額を考えるようにしましょう。
エスクローに入ってから、早急にホームインスペクションを予約するところから始めることをオススメします。General inspectionが済んだら、家の状態の全体像が見えて、そこから、さらに細かく調査が必要なところに手をつけていきます。エスクロー期間に出来るだけの調査をし、その結果を見て予想外の大きな欠陥があれば修理や修理代(Credit)をリクエストできます。セラーはそのリクエストに応じても応じなくてもよく、バイヤーは交渉の末、その反応を見て、買うのか、買わないのかをご決断されたらいいと思います。
セラーとして事前にできること
セラーとして、「これは後からバイヤーに言われそうだな」と思うような欠陥を、事前に全部洗い出して、オファーを受け付ける前に、あらかじめバイヤーに知らせておくのがいいと思います。売り手市場の場合、複数のバイヤーがオファーを出し、お互い競争するので、そんな状態の中で再度欠陥を知らせておいた方が、バイヤーもそれを踏まえてオファーの内容を考えるので、後から「やっぱり辞めます」というような想定外の辞退を避けることができます。セラーとして、如何にこのInspection contingency期間をコントロールするのか、テクニックが必要ですので、必ず担当エージェントと事前に打ち合わせしてください。
